俺とサザン(改)

サザンオールスターズのライブに行ってきたよ。
サザンは今年30周年で、今日は日産スタジアム4DAYSのファイナル。実はおれはサザンが大好きで、デビューのときからずっと聴いてて、ベストテンにジョギパン姿で初出演したときから、サザンの音楽はいつでもおれのそばにあった。
当時は小学生だったけど、新曲出るのが楽しみで楽しみで(「いとしのエリー」が3rdシングルとしてリリースされたときはその名曲っぷりに震えた!)、はじめて「アルバム」というものを聴いたのは姉ちゃんが持ってた「10ナンバーズ・からっと」で、子供時代のおれはそのカセットテープをひたすら繰り返して聴いてたんだった。自分の音楽的なルーツがあるとすれば、それは姉ちゃんに借りたサザン(と佐野元春)になるんだと思う。
今日のライブも本当に最高だった。胸いっぱい。
オープニングは「YOU」「ミス・ブランニューデイ」「LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜」の3連発。そのまま前半は70年代から80年代の曲をほぼ年代順にメドレーで畳み掛ける。曲はもうわけわかんないほど最高で。ブルースやらシティポップやら歌謡曲やら、ジャンルとかまるっきり無視してサザンでしかやれない曲ばかり。メロディも歌詞も最高。やっぱり格が違う感じ。これが国民的バンドだ。あいつらにビーチボーイズがいるなら、おれらにはサザンがいる!
んで、ぼんやり考えてたんだけど、サザンの何がすごいかっていうと、やっぱり曲がいいのだ。すっごく当たり前のことを言ってるけど。
だって“サザンみたいなバンド”ってほかにどこにもいない。キャロルみたいなバンド、ブルーハーツみたいなバンド、くるりみたいなバンド、フィッシュマンズみたいなバンドさえもいるのに、サザンみたいなバンドはいない。
結局サザンをサザンたらしめている要素っていうのは、桑田佳祐という人の突出した才能それだけなんだ。スタイルとかアレンジとか関係ない。神がかったソングライティングの才能だけ。
サザンの名曲と呼ばれる曲は、もうそれ自体たくさんありすぎて困るんだけど、それこそ「勝手にシンドバッド」の時代から、サザンがマスに向けてバーンと叩きつけるような曲は、ひとつ残らずありえないほどいい曲だと思う。
例えば2005年のシングル「BOHBO No.5」をはじめて聴いたとき、おれは正直ナメてた。「あー、サザンの普通のアッパーチューンを再生産してるのね」って思ってた。でもやっぱ違うんだよ。こんだけのクオリティの曲は誰にも書けない。
歌詞だってすごいんだ。
> 裸の人間同士でいような
> 夢見る少年同士でいような
> 互いにYummy Yummy Yummy 寂しんBoys
この力の抜け具合&気持ちよさといったら!
もちろんその後2006年の「DIRTY OLD MAN 〜さらば夏よ〜」も、こないだ出た最新シングル「I AM YOUR SINGER」もものすごい。昔のバンドじゃないんだよ。こんだけのメロディが枯れずに出てくるってのはいったいどういうことかと問い詰めたい。今日のライブでも「ボディ・スペシャルII」や「シュラバ★ラ★バンバ」を聴きながら、これよりいいロックチューンがどれだけあるだろうと思った。「TSUNAMI」や「真夏の果実」みたいな大ヒット曲じゃなくてもかまわない。「夕陽に別れを告げて」や「働けロック・バンド」を聴きながら、これを超えるバラードがどんだけあるんだって。
例えばどっかの新人バンドが、こんな曲をいきなり発表したらもう音楽シーンがひっくり返るくらいの大事件になると思わない? サザンのどの曲でもいいや、「さよならベイビー」でも「Big Star Blues」でも「海」でもいい。こんなものすごい曲を書ける人はほかに誰一人としていない気がする。
いや、それにしてもライブよかった! 行けてよかった! サザン大好き!