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月光条例

感想

藤田和日郎月光条例」1巻を読んだ。これめちゃめちゃ面白いねえ。

愛読していた少年誌でその人の性格がわかるというけど、おれは10歳のときから断然サンデー派だったわけです。ジャンプとかマガジンとかほとんど読んでなくて、だから実は「ドラゴンボール」も「ジョジョ」もよくわからんのよね。「スラムダンク」は一昨年くらいに初めて読んだ。あきらめたらそこで試合終了ですよ。

余談ですが友人の津田大介は「月刊少年マガジン」を今も毎月買い続けているらしい。「『鉄拳チンミ』と『なんと孫六』が終わったら買うのやめようと思ってるんだけど、ぜんぜん終わらなくてさー」とは本人の弁。まだやってんのかよ……。

とか言いつつ、そんなに好きだったサンデーもさすがにつまらなくなりすぎてしまって、4、5年前に読むのをやめた。たいして面白くないのに妙にヲタ受けして単行本が売れるから連載続いてる、みたいなマンガが増えてきて、うわもうダメだ、と思ったのです。まあ言っちゃえば「犬夜叉」とかもそうなんだけど。

んで、ぼくのマンガの心のベストワンは今もやっぱり「うしおととら」。なんど読んでも泣ける。なんなのあれ。

そして大作「からくりサーカス」を経て、ついに藤田和日郎の新連載「月光条例」が始まって、単行本にまとまったのがついこないだのこと。

これ本当に面白いわー、さっきも言ったけど。まだ本当に序盤ということで、基本はお話というよりも設定とキャラクターの説明なんだけど、そんな中でもぐっとくる、思わず泣いてしまいそうな瞬間がたくさんある。主人公の岩崎月光が相当かっこいいんだよね。

やっぱ男の子の基本は強がりとやせ我慢ですよ。「泥なんてなんだい!」(by うしお)ですよ。人生で大事なことの多くが藤田和日郎のマンガに詰まっているね。マンガで人の心をぐらぐらと動かせると信じている作者の志の高さもすごくいい。実際ぐらぐらしています。

ただ、ひとつだけ心配なのは「おとぎばなし」を題材にしたこの物語が、どこまで広がっていけるのか、ということなんだけど。なんつーか、今のところは設定先行な感じが否めなくて、ここから大きな物語の”うねり”みたいなものにどうつながっていくのかはよくわからん。でも「からくりサーカス」の序盤で「これはないだろー」と思った「ゾナハ病」の設定(他人を笑わせないと死ぬという病気)にちゃんと説明をつけて物語の重要な要素に昇華させた作者のことだから、今回もたぶん大丈夫なんだと思います。

あと「月光条例」はヒロインの”エンゲキブ”が、ちゃんと現代風の女子高生として描かれてるのもいい。今までの藤田マンガに出てくる女の子って、たぶん作者の(ちょい古風な)女性観が反映されてたんだと思うけど、やっぱどこか垢抜けなかったもんね。エンゲキブはいいよ。おっぱいが大きくて腰がキュッと細いあたりもとてもよいと思います。

青き月光でねじれた「おとぎばなし」は
猛き月光で正されねばならない。

この「月光条例」の条文がマンガの中で月光の決めポーズとともに太い文字で書かれるときのカタルシス。主人公の月光のすかした態度。エンゲキブが月光を信じてるときの安心しきった笑顔。

月光条例」これからの展開に期待してまうす。

月光条例 1 (少年サンデーコミックス)

月光条例 1 (少年サンデーコミックス)