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モテる先輩

思い出

大学んときのバイトの先輩で、すんごいモテる男の人がいて。当時20歳かそこらのおれはちょっとかわいがってもらって、たまに飲みに連れてってもらったりしてた。「ノルウェイの森」で言う永沢さんみたいな存在というか。

今思えば特別にイケメンってわけでもなかったと思う。でもまあちゃんとおしゃれで、気が利いてて、仕事はできるし後輩の面倒見もいい。ちょっと話せば「あーこれはモテるわ」って思わず納得しちゃうようなそういう人だった。実際いつも複数の女の子とつきあってて。今より若くまっすぐだったおれは「そういうの、二股とか三股とかよくないですよ!」とか言いながらも遊んでもらっていた。

そんな感じの百戦錬磨のモテ男だけど、一番印象に残ってるのはその人の家に行ったときのこと。いつもの感じで朝まで飲んでいつもはそのまま帰るところを、その日はなぜか家に寄らせてもらって。そしたらその人が「朝メシ作ってやるよ」て言って、トースト焼いてコーヒー入れて、目玉焼きを作ってくれたの。そんで「できたぞー」つって出してくれた目玉焼きはえらい焦げてて、お世辞にも美味そうとは言えない感じ。でもその人はすんごい笑顔で「どう? 美味いだろ!」て言う。そんときに「ああ、これなんだなー」ってなんだかわかった。とにかく人は自信満々でいることが美徳。うじうじ迷っててもどうにもならん。間違っててもダメでもいいから、とにかく笑顔で進んでいくべし。いまだにあんまりできてないけど、あのとき「これか!」て思った感じは今もよく覚えてるなー。