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犬を飼っていた(1)


子供の頃、家でアイヌ犬を飼っていた。名前は大(だい)。上から呼んでも下から呼んでも大山大ってことで名付けられたらしい。写真は小学生のときのおれと大です。こないだ帰省したときにアルバム探して持ってきた。
大はおれが物心ついたくらいの頃に家にやってきて、おれが高校生のときに死んでしまった。末っ子のおれにとっては弟みたいな存在で、おれは大のことがすごく好きだった。小1のときに徒競走ビリだったおれが小6のときに1位になれたのは、毎日大の散歩で走ってたからだと思う。隣をゆっくり歩くとかそういうしつけは知らなかったから、大といっしょに毎日ただ全速力で町内ぐるっと走るだけ。小さい頃は転んで引きずられて泣いて帰ったこともあったけど、でも大の散歩はおれの仕事で、冬にはソリひいてもらって近所を爆走したこともあったしね。本当にいいやつだった。しっぽがくるっと丸まっててね。
ただ、なんせ昭和50年代だし、外で番犬みたいに飼ってた犬だから、1日1回散歩に連れてくくらいで、そのほかはあんまりかまってやれなくて。あの頃はそれが普通だったけど、今は大型犬でも家の中で飼ってる人も多いし、そっちのほうが犬にとってはきっと幸せだよなーっていうのは今さら思う。吹雪のときはもっと玄関に入れてやればよかった。もっとたくさんかわいがってやればよかったと後悔している。
だからかどうかわかんないけど、今も大のことはたまに夢に見たりする。夢の中ではおれの手をべろべろなめて、でもいつもちょっとさみしそうにしてて、目が覚めてから胸がきゅっと痛くなったりする。
大が天国にいるなら、そんならおれもそこに行きたいと思うわ。そしたら今度こそたくさん遊んでやるのに。