愛し合ってるかい

「愛し合ってるかい」といえば、もちろん忌野清志郎の有名な台詞で。あまりにもキャッチーな言葉だから、キヨシローのライブを見たことない人は、もしかすると脳天気な煽り文句みたいに思ってるかもしれない。でもちょっと違うんだ。違うよね。キヨシローを好きな人ならステージで繰り返されてきたこんな光景を知ってるはず。
ライブがその日一番の濃厚な瞬間を迎えるとき、甘いオルガンの音がバックに流れる中、キヨシローは「みんなに聞きたいことがあるんだ」って静かに話し始める。
「21世紀になったのに、今も世界では戦争や紛争が続いている。ミサイルが飛んでテロが起きて、飢えた子供達が死んでいってる」
「どうしていつまでも世界は平和にならないんだろう」
「だから今日、こんなゴキゲンな夜に、ここに集まってくれたみんなに聞きたいことがあるんだ。OK? みんなに聞きたいことがあるんだ」
「愛し合ってるかい?」
「愛し合ってるかい?」
「愛し合ってるかーい! オーイエー!」
「それじゃあ愛し合ってるヤツらに、ラブソングを贈ります。ビシビシ熱いラブソング!ガッタガッタ熱いラブソング! 聴いてください」
近年はこんなMCから「Baby何もかも」を歌い始めることが多かったっけ。もちろん「スローバラード」のときもある。そしておれはいつも大切な人のことを思って泣いてしまう。