フランキー・オンラインの思い出

初めてインターネットに接続したのは1995年頃。プロバイダは「フランキー・オンライン」でした。

今となってはなぜそれを選んだかぜんぜんわからないのだけど、たぶん初心者にやさしい感じがしたんだと思う。高城剛がやってるらしいからなんか大丈夫だと思ってたのかも(←間違い)。あと「〜@franky.com」ていうメールアドレスがかっこよかった。当時はまだ「.co.jp」のサイトが多くて「.com」はなんか企業っぽくない自由な感じがした気がする。または高城剛が「これからはドットコムだよ!」的なことを言ってたのを真に受けたのかもしれない。

でも当時はなんにもわからないから「インターネットってこういうもんか」と思ってたけど、今思い返すといろいろすごかったフランキー・オンライン。まず接続すると画面の真ん中に動物だか海賊だかなんだかわからないフランキーくんというキャラがピョコン!と登場して「やあ、フランキー・オンラインへようこそ!」的なことを毎回(裏声で)言う。

そして自分は街の中を(フランキー・オンラインの世界は街なんです)てくてく歩いて郵便局に行く。当然だけどこの時点で相当かったるい。で、郵便局に着いて中に入るとやっぱり動物だかなんだかわからん人が出てきて「やあー、手紙が届いているよー」とゆっくりしゃべって、そこでやっとメールが読める。今思うとめんどくさいんだが当時はそれしか知らないからそういうもんだと思っていた。あとでメーラーというものがあるのを知ってその便利さに卒倒しそうになった。そのほか街の中ではニューススタンドで雑誌が読めたりとか、デパートに行くとなんか買えたりとか。もちろん買わないけども。

あとフランキー・オンラインは使っていくうちにいろいろ新機能が追加されたりするんだけど、ネット経由でのバージョンアップとかじゃなくて自宅に定期的にCD-ROMが届くのね。新しいCD-ROMを入れると新しい島が追加されてたりする。でもバージョンアップするたびにだんだん必要なスペックが上がっていって、あるときとうとう動かなくなるのだった。そしてよくわかんないなりに調べて、どうやらメモリが足りないらしいということを知る(その頃使ってたマックはメモリ8MB)。でもとにかく初心者だからメモリ増設とかもよくわからんし何万円とかするみたいだし。でもバージョンアップしないと新しい島に行けないから(←行かなくていい)、がんばってさらに調べてみると、なんかラムダブラー?とかいうソフトがあるという話を知って、そのソフトを入れるとメモリが倍に増えるというのを聞いて、うわ、夢のようだとか思って、新宿のソフマップに行ってラムダブラーを買って、なんとかまた使えるようになるのだった。1995年あたりはそんな感じのインターネットライフでした。

とにかくおれが言いたいことは何かというと、ほんとインターネットを島とか街とかに例えるのもう一切禁止したい。めんどくさいんじゃボケカスが、ということです。