まさかいきものがかりを好きになるとは思わなかった

今、いきものがかりに夢中なんです。自分でもすごく意外なんだけど。
正直ぜんぜん好きじゃなくて、どっちかというと嫌いだったんだよね。デビューしたくらいの時期に街で流れてるのをたまたま聴いて、ん?これアニソン?なんかイヤな感じの音楽だな、と思っていました。なんかベタッとしていてダサいのにそれを隠そうとしてかっこつけてる感じ。子供だましの音楽で、自分には関係のないものだと思っていた。
その印象が変わったのは実はぜんぜん最近で、この夏に出た「ブルーバード」ていうシングルをちゃんと聴いたときから。「これぞアニソン!」て感じのどキャッチーな曲で、実際「NARUTO」の主題歌なんだけど、これがなぜだか気になってしまって。「あれ、これかっこいい……かも?」みたいな。
んで、その頃たまたまいきものがかりのインタビューの現場に同席する機会があって、そこで相当興味を持った。「洋楽とかあんまり知らないんです」「好きなアーティストはミスチルとか」「『ブルーバード』はアニメの主題歌だし、ベタな展開とJ-POPのお約束を盛り込んで作った」「ぼくたちそういうの大好きなんです」みたいな、身も蓋もない発言が次々飛び出して。
それでこれはちょっと考えを改めなきゃならんかも、と思ってきちんと向き合って聴いてみた。昔の曲から最近のまで順を追って。そしたらやっぱり曲がどんどんいい感じになってきてるのね。昔の曲は今聴いてもやっぱりあんまり好きになれなかったんだけど、でも最近の曲は本当にいいんだよなー。特に2008年になってから、2ndアルバム以降のシングルの一皮むけた感といったらもう。「帰りたくなったよ」も「ブルーバード」も「プラネタリウム」も素晴らしい。すごくポップで、堂々としていて、いつのまにかあの頃感じたイヤなところがすっかり消えてた。
そしてこないだ出たニューシングル「気まぐれロマンティック」。聴いた瞬間、ああ、これは決定打だなあと思った。まさか自分がこのバンドを好きになるとは思わなかったけど、この曲本当にいい。ストリングスからゆったりと始まるAメロも、さあここからサビいくよー!って感じのBメロ終わりも、歌詞とメロディが一体になってギュッと胸をつかむサビのフレーズも。「ダーリン ダーリン きっと あたしは つかめるよ / 幸せの意味に 気づいていく / あなたとならば 明日を変えられる / 今すぐ 連れ出して My Sweet Sweet Darling」て。「あたしは つかめるよ」て。すごいシンプルだけどこんな歌詞なかなか書けるもんじゃないと思うし。実際ちょっと泣きそうになる。
たぶん最初は凡庸なグループだったと思う。実直に続けながらもともとあった才能をきちんと磨いて、そしたらいつのまにか誰かの物真似じゃなくなって、背伸びしてかっこつける必要もなくなって、肩肘張ってた余計な装飾も消えて、気がついたらただ普通にいいメロディと歌詞だけ残ってた、ということじゃないかと思っています。ポップミュージックの普遍性みたいのをいつのまにか手に入れてしまった。このままユーミンとかスピッツとか、そのくらいのレベルまでいける気がしています。

My song Your song

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